2008年4月9日水曜日

カルテを読めるようになろう

Google HealthとかマクロソフトのHealthVaultとかPHR(Personal Health Records)が話題になっている。PHRとは個人健康記録で個人のカルテみたいなものだ。Google Healthは、「米国クリーブランド州の医療機関Cleveland
Clinicと提携
」とあるので病院のEHRと連携するようだ。病院のカルテはEHR(Electronic Health Record)という。EHRは、医療情報ネットワーク化と情報共有のためのツール。
患者中心の統合医療を実現するために一元化された医療情報記録(レコード)のこと。何か裁判などの事態になったときカルテは読めるべきだと思う。そのカルテを読むにはどのように書かれているか知る必要が
ある。以下にカルテがどのように記載されているか私の調べた一例を示す。

一般的な紙カルテや電子カルテは、POMRシステムカルテと呼ばれる。POMR(Problem Oriented Medical Record:問題指向型診療録)は、POS(Problem Oriented System:問題指向型
方式)に沿って、検査から診断、治療までの過程をカルテに記載する方法。
読めないカルテは日本の自由心証主義裁判においては形式的証拠性に乏しく著しく不利と思われるので、そのようなカルテ
は減少していると言われている。読めないカルテを証拠として採用するには執筆した医師が証言できないと内容が確認でき
ない。長期保存目的のカルテはPOMR方式や記載内容が正しく読める必要がある。忙しい医師にも正しい診療だったと証明
するためにも頑張って欲しい。
基本構成は 1.ミニマムデータベース、2.プロブレムリスト、3.プログレスノートの3つの要素からできている。歯科等には初期計画があったりするようだ。以下はその初期計画を加え項目を4つとした。
0.表紙
 患者名,ID番号,生年月日,診療科などの基本情報(の一部)がある。

1.ミニマムデータベース(基本データ)
 ミニマムデータベースは診療の基礎・前提とすべき情報。主に初診時の患者からの問診をもとに作成される。必要に応じて加筆。
主な項目は以下の通り。
(1)主訴,(2)現病歴,(3)既往歴,(4)家族歴,(5)現症, (6)理学所見

2.プロブレムリスト(問題リスト)
 基本データをもとに患者が抱えている問題(プロブレム)点をリストアップする。プロブレムには診断が確定しているのなら病名を採用。確定していない問題はそのまま挙げる。医学的な問題だけでなく、社会的な問題、心理的な問題も列挙する。

3.初期計画(歯科等にある)
 問題を解決するための初診時における計画を問題ごとに立案する。
・治療のための「治療計画」
・診断を確定させるための「診断計画」
・患者さんに説明をしたり必要な指導を行うための「教育計画」など必要に応じて区分して記載する。

4.プログレスノート(経過記録)
プロブレムごとにどのような経過をたどったかを記録する。記載はSOAP形式で行う。
SOAPとは
・Subjective(主観的事項、自覚的症状)
・Objective(客観的事項、他覚的所見)
・Assessment(考察、評価、判断)
・Plan(計画、方針)経過をこの分類に従って記載する。

以下は参考情報
「カルテ形式の品質 」正しい書き方

カルテの書き方等とカルテ等の記載に関する通知

開示に耐える診療記録のとりかた

英語カルテの書き方(ダラス通信⇒・カルテの書き方)    http://www.dallastsushin.com/usmle/chart.html

電子カルテシステムの概念定義

以下余談:

電子カルテの問題点

電子カルテの何が問題か?

個人的には、電子カルテはCRMと似たようなシステムであるべきだと思う。画面はCRMパッケージのように自由にカスタマイズでき、不要な入力を隠すとか、追加ができる仕組みがあるべきと思う。

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