2008年4月8日火曜日

検索サービスと著作権法について

検索サービスと著作権法について議論が続いている。
4月4日の総務省がインターネット政策に対する意見募集結果http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080404/298051/?ST=system

によると、NTTレゾナント株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社の2社より「検索サービス提供に係る著作権法の改正について早急に進めて頂く必要がある」と足並みを揃えた意見を出したことが公表されている。


そういえば過去にこんなニュースがあった。

著作権法改正へ--検索事業者のデータ利用、著作権の許諾なしでも可能にhttp://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20340735,00.htm
「インターネット政策の在り方に関する検討アジェンダ」(案)に対する提案の公表http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080404_6.html

その提案・意見一覧 http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080404_6.html#bs

ヤフー(株)も意見は出しているが検索DBと著作権に関しては意見を出していない。グーグルは意見の提出そのものをしていない。本日の最後に記すが米国でフェアユースの判例が出ているからだろう。


著作権分科会 法制問題小委員会(第1回)議事録http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/07032007.htm 

この議事録を抜粋すると「それから、4番目のネットワークの検索サービスについてでございますけれども、さまざまな形で用いられております検索エンジンサービスの運営においては、クローラーと呼ばれる情報収集する自動的なプログラムによりまして絶えず地球上のあらゆるサイトに出かけていってそれをコピーをして収集をするということが行われておりまして、利用者はその中のものに対し検索をかけるということが行われております。そしてまた検索結果は一定の範囲で検索を利用した者に送るわけでございますが、その過程では複製ですとか翻案、あるいは公衆送信が行われているわけでございます。そのようなことから、例えば米国におきましては、フェアユースという規定がありまして、著作権法上、不明確ではあるけどもできるというような部分もないわけではないわけです。我が国におきましても著作権法上の問題があって、検索エンジンが開発できないとすれば問題であるという問題意識からこれを解決すべきではないか、という要請があるわけでございます。 これにつきましても、知的財産本部のコンテンツ専門調査会で検討がなされているところでございまして、また、経済産業省におきましても、情報大航海プロジェクトという形で開発が提案をされているところでございます。」と記録されている。


第23回文化審議会著作権分科会http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/pdf/bunkakai_23.pdf

ここでは、「検索エンジンの法制上の課題につきましては、検索エンジンの行うウェブサイトの収集等が複製権等の侵害になるおそれがあると指摘されておりまして、インターネットで必須のサービスである検索エンジンが我が国でも安定的に実施できるよう、著作権者の権利等の調和に配慮しながら、権利制限を講ずることが妥当であるといたしました。6ページの検索エンジン関係ですが、こちらは先ほど中山主査からも御紹介がありましたが、検索エンジンの仕組みとしましては、常日頃からいろいろなウェブサイトをソフトウエアが回って、自動的にウェブサイトのコピーをとりましてサーバーに蓄えているということを行っておりまして、こういった行為が著作権の侵害になるおそれがあるという指摘がございました。これつきまして現行法の解釈で対応が可能なのか、もしくは立法措置が必要なのかなどの検討を行いました。結論としましては、検索エンジンサービスが果たしているような役割を安定的に果たしていくためには、権利制限という手段が適当ではないかということで結論をいただきましたが、なお検討を要する点といたしまして、「検索エンジン」というものの対象範囲をどのように捉えるのか、違法な複製物がインターネット上にあった場合に、それを検索エンジンが拾ってしまった場合にどのように対応するかなどといった点があるとしております。」と記録されている。


次世代検索技術の研究開発を目的に発足した「情報大航海プロジェクト」http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/daikoukai/index.html

発足の発端は以下のようだ。「Google独占にはさせない」--国産検索エンジン開発へ、産学官が一致団結http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20143827,00.htm
個人的には、検索エンジンで表示される情報はテキストの場合は部分的なものなので、著作権法に触れるのかどうか疑問だ。
画像の場合は確かにあると思うが、世間では個人写真家の写真を勝手に使っているサイトがあったりするが、その著作権者が「お金ちょうだい」と言いに該当公開サイトに言いにいかない限り誰もわからないはず。ましてやその著作権者は検索サービスがあるから発見できるわけで、非常にありがたい発見ツールだと思うのだが。政策的な牽制なのだろうか・・・

私の友人の写真家は、自分の写真が勝手に使われているサイトを見つけては費用請求しに言っていた。大概あっさりと費用を出すみたいだ。


確かに以下のようなニュースがいくつかあった。だが通常の検索サービスではどうだろうか・・・
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グーグルとAFP、著作権訴訟で和解--サービスでのコンテンツ使用で合意http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20346651,00.htm
中国の検索サービス「百度」が著作権侵害で訴えられ、敗訴。http://plusd.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0511/21/news046.htmlこれはMP3ファイルの検索とDLに関して。中国らしいニュースだ。
Microsoft,出版業界団体の総会でGoogleの書籍検索サービスを著作権侵害と批判 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070307/264083/
米出版業界団体,米Googleの書籍本文検索プロジェクトの著作権侵害を巡り提訴 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20051020/223170/?ST=ittrend
米Google,書籍本文検索プロジェクト「Google Print Library Project」を再開へ http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20051102/223917/?ST=ittrend
米Amazonの全文検索は“デジタル万引き”と同じ?  賛否両論が渦巻く http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/ITPro/USURA/20031106/1/?ST=ittrend

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これが参考になると思う。グーグル・ブック検索をめぐる著作権論争・ネット時評http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=MMITs2000013072007

ウェブ検索のとき、ネバタ州とペンシルバニア州の地裁判決では、2件とも裁判所は、この一時保存をフェアユースと認定したとこの記事に解説されている。
こんな意見もある。http://d.hatena.ne.jp/fusshii/20070207/1170848273

このサイトからの引用をすると「個人的にはフェアユース規定は魅力的なのは事実なのだが、それがないから問題だ、という一般的に流布している議論では説得力に欠けるので、現行法体制をひっくり返すにはインパクトがない。もう一枚二枚分厚い議論と実態が必要かと。」言っている。
ヤフー株式会社は日本に検索サーバのDBを置いていないのだろうか??? はて・・・

# 「電脳網潜水」をヤフーで検索するとなんとトップに出てきた。ありがたい。

# グーグルだとなんと5番目でかつトップページが出てこない。残念。

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